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2008年 04月 01日 ( 1 )
著作権について考える その3
 映画の海賊版というのは、家庭用のビデオを映画館に持ち込んで、スクリーンに映る映画をそのまま録画してDVDにして売っちゃうんだそうだ。荒っぽいなあ。家庭用のビデオが小さくなってきれいに写るから、そんなことができちゃうわけだ。当然著作権に引っかかる。著作権は、もともと著作者の利益を保護するために考えられた権利だから、本来著作者にも入ってくるはずのDVDの売り上げが海賊版によって入ってこないというのは著作者の利益を著しく損ねているわけだ。
 ところが、個人で楽しむ場合はコピーもOKになる。例えば、音楽CDをマイカー用にコピーするのは許される。コピーして売ったらアウト。
 ところでここにテレビで放映された海外ドラマを携帯のカメラで撮影し、自分のブログに貼り付けているヤツがいるとする(アタイだよ!!)。個人で楽しんでいるブログで、その画像を貼ったことで利益を得ているわけでもないのだからOKかというと、どうも微妙だ。
 私の後輩だが、いろいろな展覧会を見てはレビューをブログに公開していたが、著作権に触れるという理由で作品の画像はもとより会場の様子さえ掲載しなっかった。それは考え過ぎじゃないか、と思ったが・・・。
 「グラフィックデザイナーの著作権Q&A」を見ると、不特定あるいは特定でも、多数の人間が閲覧できるWEBページに、他人の著作物を載せるのは複製権と公衆送信権の侵害になるのでアウト、とある。だが、「引用」なら著作者の許諾を得ずに掲載しても良い、ともある。テレビドラマのほんの1カットを写真に撮ってブログに公開するのは、条件にもよるが「引用」ということでOKになるようだ。では、展覧会場の風景はどうだろうか。作品1点をそのまままるごと撮影して、無断でブログに載せたらアウトのようだが、会場風景で作品が小さく写っている分にはOKなんじゃなかろうか。もちろん、会場全体がひとつの作品であるインスタレーションを撮影してアップしたら、これはアウト。

 なんか「著作権のボーダーを探る」みたいな連載になってきたが、具体的な例を挙げていくとどんどん複雑になってくる。「もしかして著作権に触れるかな」と思ったらやらない方が良さそうだ。デザインで、大勢の人が写っている写真なんかを使うときでも、個人が明らかに特定できるような場合は、「プライバシーの権利」を侵害することになる可能性もあるので、これも注意しなければならない。
 
 アナログの時代では、コピーというのは必ずオリジナルより質が落ちるわけで、コピーを繰り返すと、原型がわからなくなったりする。だから、オリジナルさえ確保しておけばOKというところがあった。ところがデジタル時代になって、オリジナルとコピーは全く同じデータだから、オリジナルをキープしておいても意味が無く、コピーのコピーがオリジナルと同じ品質のまま著作者の知らないところで営利目的に利用されているかもしれない。だから、著作権について、昔よりうるさくなってきた。デザイナーもある程度正確な知識が必要だし、知識がなければ「もしかして著作権に触れるかな」と思うことすらない。それが一番怖いかも。
by hiroafukasawa | 2008-04-01 19:15 | デザイン | Comments(0)