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オタク誕生 4
 私の大学の「映画研究会」は実質「アニメ研究会」だった(当時)。あのアニメはこうで、このアニメはああで、この脚本家がこうで、この声優がああで、となんだか訳の分からない異世界が早くも築き上げられていた。不思議と、私の同級生でのちのオタクに足をつっこんだヤツは少なかった気がする。1つ、2つ上と下の学年の先輩・後輩がすごかった。ロボットアニメから少女アニメまで、ありとあらゆる作品に精通し、重箱の隅をつついたその裏の話を引き出して、知っているか知らないかで相手を計る。知っていれば「我が意を得たり」と同士になり、知らなければ「ちょっと違う人」に扱われる。「そこまでこだわるお前たちの方が異常なんだ」という声も聞こえてないわけじゃないんだろうが、走り出すと止まらない。
 そういえば、同級生で一人、ガンダムファンがいたな。でも、彼はガンダムよりは現実世界の「女」が好きだったので、そういう意味では極めてノーマルだった。
 
 さて、吸収された「マンガ研究会」の同人たちも、「アニメこだわり人間」たちについていけなくなり、一人、二人と顔を見せなくなる。私自身も、あまりにも話が合わないので、かといって自分も詳しくなろうと「お勉強」する気にもなれず、一方、油絵の方がマンガより面白くなっていたので、だんだん足が遠のいた。しかも、2年生の時に甲府に下宿すると、テレビのない生活が始まった。夜遅くまで絵を描いたり、マージャンやったり、酒を飲んだりの毎日だったので、テレビを見る必要もなかった。だから、ますますアニメの話題にはついていけなくなった。
 
 たまに「映研」に顔を出すと、「マンガの合作をやっているから少し描いてくれ」とか言われてちょことちょこと参加していると、その横で「巨大ロボットアニメを作る」といって、キャラクターやらロボットのデザインやらストーリーがああでこうでと盛り上がっている。「そうなんだよな、設定を考えているときが一番面白いんだよなあ」と思いつつ、そのあと実際にアニメを作る作業が始まるとどれだけの時間と労力が無駄になるか(無駄と言っては失礼か?)わかっていたので、そちらには近づかないようにしていた。設定段階だって、どうでもいいようなところにこだわり、どんどん話がずれていって、こんなギャグはどうか、とか、こんな裏ストーリーはどうかとか、外伝としてこんな話はどうかとか、果てしがない。それが楽しいと思えない人間には苦痛以外の何物でもない。
 
by hiroafukasawa | 2008-11-17 19:09 | 雑記帳 | Comments(0)
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