今年、ホンダのスーパーカブが50周年を迎えたそうである。
スーパーカブといえば、大学の先輩が乗っていた、長低燃費の原付バイクだ。その先輩は、雨の日も風の日も、時には雪の日だってスーパーカブに乗って職場に通っていた。その通勤も半端な距離じゃない。片道20キロはあったんじゃないだろうか。 画家を志すその先輩は、貧乏だったけれど「カブでは絵が運べない」ということで、ついに自動車を買った。屋根がついている自動車で乗っている人は濡れないのだ。荷台も広い。その名も「スバル サンバー」。ところがこれがオンボロで、たしか、車の値段より車検代の方が高いとかいう代物だ。軽快なラテンのリズムを思わせるのはその焼き玉エンジンのようなエンジン音だけで、いつ動かなくなるかわからないような車だった。記憶が定かではないが、もしかしたら排気量も360CCだったかも知れない。末期にはマフラーから排気ガスと一緒に水を出していた。「物が燃えると二酸化炭素と水が生成される」とかいう生やさしい物ではなく、ラジエターの水をそのままケツから出しているわけで、荷台に水を入れたペットボトルを常備し、つぎ足しつぎ足しして走るのだ。 今では信じられないような話だ・・・。
by hiroafukasawa
| 2008-07-19 18:34
| 若草荘物語
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