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イラストと美術作品
 イラストと美術作品はどう違うのだろうか。最近では、その境目が非常に難しい。
 イラストというのは本来「挿し絵」だから、元になる物語などがあってそれを補足説明するためのものだ。デザインの世界で言えば、伝えるべき事があって、それを「ちゃんと正しく」伝えることを意識して描かれた絵だ。「言葉」を伝えるための「道具」と呼ぶことが出来ると思うが、そういう意味でイラストは極めて「道具的」だ。
 美術作品は、見る側に正しく伝わるかどうかは二の次であって、作家の内側に熟成されたテーマが、その絵の向こう側に見えてくるものだ。「道具」として考えたときには極めて役に立たない。そのテーマが表せれば、描かれているものは人でも花でもいいの。そこには、言葉に表しがたい感動や重さ、深みがあるからだ。
 逆に言うと、「道具」の域を乗り越えて、心に迫ってくる何かを持っていればイラストも美術作品になり得るし、絵の向こうに何も見えてこないものは美術作品と言えない。

 と、書いてみてなんとなくわかった気がするが、結局、絵を見る人の主観に左右されることに変わりない。地図の上に線を引くようには分けられない。でも、「絵の向こうにテーマを描けているか」「見る人に感動を与えることが出来る絵か」と自問してみれば、そんな絵が描けていないことだけはわかる。そんな絵が描けるようになるために絵を描き続けている。
by hiroafukasawa | 2008-05-01 18:34 | 制作 | Comments(0)
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