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サイボーグ009は神と戦う
 NHK BSの「とことん!石ノ森章太郎」で「サイボーグ009」の特集をやっていた。懐かしいけど、色あせてない、やっぱ名作だなあ、と一人悦に入っている。
 さて、番組内でも話題になったが、009シリーズの中で未完成のまま終わってしまった話がある。「天使編」である。ある日、背中に白い翼を持つ者たちが現れ、“人間”を創ったが、あまりにも出来が悪いので全部消して作り直す、と言う。サイボーグ戦士たちは神と戦うことに躊躇するが、009は、抵抗することに意義がある、といい、天使たちとの勝ち目のない戦いを決意する・・・。
 サイボーグという、人間でも感情のないロボットでもない存在。戦士として作られた宿命を持ち、「平和」のために「戦う」という矛盾。009たちは、戦うたびに自分たちの存在がなにかと自問していく。石ノ森先生の頭の中には、人間とはなにか、なぜ存在するのか、さらに、人間の意志を超えた、なにか大いなるものの存在を描きたいという思いがあったようだ。
 
 でも、それは石ノ森先生だけでなく、音楽でも、美術でもさまざまなクリエイターたちが行き着く究極のテーマのようだ。芸術の世界では、表現するということは自分を見つめていくことで、深く深く自分を見つめ、潜っていくと、やがて自分の意志や人間の英知を超えたものが存在しなければ説明できないようなことを見つけてしまう。そしてそれを表現するために、作家はそれぞれ悪戦苦闘する。狂ったように絵の具をキャンバスにぶつけてみたり、薬の力を借りて作曲したり(これは邪道だけど)。マンガもまたそれを表現できる手段のひとつというわけだ。一般の読者からは受け入れられないことが多いようだけど。
 
 私自身は、実体験として「大いなるもの」を見つけられたかというと、何とも言えない。ただ、SFの世界では、有名な作家たちがたびたび扱うテーマだから、そういう小説を読んできた私としては、知識として「大いなるもの」の存在を「認識」している。
 それを油絵で表現できたら「本物」なんだろうな。

 デザインの仕事には関係ない話だ。そこが、芸術とデザインの違うところだ。
by hiroafukasawa | 2008-04-03 19:25 | 制作 | Comments(0)
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