人気ブログランキング |
著作権を考える その2
 というわけで、遅ればせながら、社団法人日本グラフィックデザイナー協会編「グラフィックデザイナーの著作権Q&A」という冊子を購入。「基本編」と「事例編」で著作権について解説している。Q&A方式で大変わかりやすい。グラフィックデザイナー協会が作った本なので、当然グラフィックデザイナーの権利を保護する立場で編集されているようだ。ま、著作権自体がそういうスタンスの決め事だから、当たり前か。
 「素人が作った作品にも著作権が生じますか?」というQに対して「創作的であるかぎり、子供が描いた絵でも著作物になる」との答え。「著作権法で保護される作品のジャンルには、どのようなものがありますか?」との問いに「保護対象として著作権法に例示されていないが、ほとんどのグラフィックデザインの作品は、『美術の著作物』として保護されると考えて良いでしょう」という答え。
 揚げ足を取るようで申し訳ないが、その「創作的」と「ほとんどの」という部分がよくわからない。前の例でいえば、「誰がやっても同じ」レベルの仕事でも、「字の色を1箇所変えてある」ぐらいの作業で創作的と呼べるのだろうか。クライアントの指示通りのデザインをしても、原稿と全く同じでないかぎり、そこに創作性があると認めるのだろうか。「ほとんどの」というが、その例外にあたるものはどんなデザインなのか。「グラフィックデザインといっても、こういうものは著作物といえない」というような具体例があると、もっとわかりやすいと思う。なんといっても、著作物であるかないかが著作権行使の前提だから。
 もっとも、この本の中でも触れられているが、別の人の指示を受けてその通りに作った作品に対しては、実際に作業した本人であっても権利がないということだ。つまり、オペレーターは著作者になれないということ。「グラフィックデザイナーの著作権」というタイトルだから、オペレーター程度の仕事しかしていない者のために書かれた本ではないと深読みすると、そんな具体例を示す必要もないということか。ところが、オペレーター程度のデザイナーにかぎって、「著作権が・・・」とか言い出すんで始末が悪い。
 どっちにしても、われわれの現場レベルでは、ちゃんとした著作権の理解と行使はまだまだ難しいというか、意識が低い気がする。
 でも、この本は役に立つので、持ってない人は購入をお勧めする。 
by hiroafukasawa | 2008-03-27 10:10 | デザイン | Comments(0)
<< Flower'07-4 著作権を考える その1 >>