さて、写生のような絵ならば、見えた通りに描けていれば、バルールは遠近法に沿って合ってくるはず。だけど、必然的に、遠くの山は近くの人物よりバルールが弱くなる。合ってるけど弱い(合ってるけど弱いって、どういうこと? と、この辺でわけが分からなくなる人もいるかも知れない)。画面全体を強くするためには、遠くの山も空も、バルールを強くして、見る側に迫ってくるようにしなければならない。これが「平面化」ということになるだろう。そして、平面に描きつつも空間感を出すのが、画家の腕の見せ所というわけだ。
「バルールが合っている」という状態は、写生のような絵の場合、「遠近に添って緩やかにバルールを変化させて描けている」状態。平面化された絵の場合、「バルールの幅を狭くして、空間感を出しながらほぼ均一の強さにしていく」状態。 「バルールが合っていない」という状態は、「物の前後関係がおかしく見える」状態と、「画面上の色面に大きな段差があるように見える」状態だ。前者の場合、手前の人物が奥の木より後方にいるように見えたりするというようなこと。後者の場合、色面が必要以上に奥に見えたり手前に見えたりすることで「合ってない」というより「狂ってる」といった方が適切かも知れない。 この「合ってない」と「狂ってる」の違いを図解にしたかったのだが、なんだか難しいので、いずれまた時間のあるときに更新します。
by hiroafukasawa
| 2014-08-26 18:51
| バルール
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