大学時代、夏期講習で裸婦があって、学生は油絵を描いた。大学の先生が日展系の会の会員で、同じ会員で人物を専門にしている画家を講師に招いてくれた。私はその時何年生だったかな。教室の中では力がある方だと思っていた。ところが、学生が全員集まっての合評会で、そのゲストの先生が私の絵を見て「この人は、ちゃんと(デッサンを)描かせたら、描けない人かもね」という批評をいただいた。ちょっとショックだった。いろんな先生からいろんな批評をもらったが、この一言は忘れられない。 いや、実際、芸大とか美大を目指した学生に比べたら、デッサン力がないことは自覚していたが、そこをはっきり言われてしまって傷ついた。 就職して、世は空前のスキーブーム。スキーは用具やリフト代やいろいろお金がかかるので、あまり熱心にゲレンデに通ったりしなかったが、パラレルで滑れるくらいになっていた。ところがある年、ツアーで行った全員の滑りをビデオに撮り、宿舎で見るということになった。それまで「うまいねえ」「上手」と賞賛の言葉が続いたが、私の映像が流れると「う〜ん、なんか違う」「独特な滑りだね」と笑いが起こった。 何がショックだったかというと、私は他の人と同等レベルで滑れていると思い込んでいたことだ。だけど違った。スキーは私の本分ではないので、それを機にやめてしまったが…。 この2つのトラウマ(トラウマというほどのものでもないけど)から、「自分のデッサンはそこそこうまい」「自分の絵は面白い」と思っているのは実は自分だけかも知れないという不信が自分にある。 なので、東京の公募展にギリギリでも入選すると安心する。とりあえず「間違ってはいないんだな」と。
by hiroafukasawa
| 2013-08-30 18:51
| 雑記帳
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