礼服のズボン
 私の礼服は三揃えだ。背広にベストにズボン。最近太ってきた私にとって、アジャスタ付きのズボンはウエストを調節できるのでいいのだが、ベストはキツキツだ。そんな礼服を、ちょっと多機能なハンガーに掛けてしまってある。ネクタイを掛けるフックと、ズボンを吊すクリップが付いているハンガーだ。そのクリップの力が弱いな、と以前から思っていたのではある。
 で、今日2時から知人の関係の告別式があった。朝、礼服のハンガーとワイシャツを持って、黒い靴を履いて出社した。昼休みを普通に過ごし45分頃に、そろそろ着替えるか、と礼服を見ると、なんということでしょう、ズボンがない。車の中を確認してもない。上は背広とベストをきっちり着て、下はジーンズで行くのか、お通夜ならまだしも告別式でそれはないだろう(お通夜でもそれはないが)。葬儀に行かずに、誰か行きそうな人に連絡を取って香典だけ立て替えてもらおうか、とも思ったが、すでに1時10分前、いまさらそんなお願いをしたら迷惑に違いない。斎場とは反対方向だが、これは、家まで戻ってズボンをはいて行くしかない。

 1時10分過ぎぐらいに自宅に到着。案の定、ズボンは洋服ダンスの中に落ちていた。焼香を終えて会社に戻ったらもう一度着替えるので、着ていた服をバッグに詰め込みながら礼服に。ところが、なんということでしょう、ネクタイがない。朝、ハンガーのフックにかかっていたことは確認していた。会社を慌てて出てきたので、駐車場にでも落としたのかも知れない。シルクのネクタイは思いの外スルッと抜けるものなのだ。これはいかん、会社に戻ってネクタイを探すか? でも、確実に駐車場にあるとも限らない。もう一度「行かない」という選択肢が頭をよぎった。むしろ「行くな」という神様のお告げではないか、とも。いや待て、ネクタイなら買えばいい。ズボンはそうはいかないが、ネクタイならどこかその辺の店に売っているはず。
 というわけでとりあえず出かけ、その辺の店でネクタイを調達。950円。時間的には、一般道では絶対に間に合わない。高速道路を選択する。ところが折からの強風、アクセルを踏み込んでもなかなかスピードが出ない私の軽自動車。斎場が最寄りのインターチェンジのすぐそばだったこともあり、なんとか1時50分には到着。ホッと一息と思いきや、告別式はもう始まっていて、もうかなりの人が焼香を済ませていたようで列も出来ていない。ほとんど立ち止まることもなく受付と焼香を済ませ、斎場を後にしたのは、なんと1時58分だった。2時からのはずなのに。ということは、例えば一般道を走ってきて2時20分とか30分とかに着いたとしたら、ものすごい恥ずかしい感じになっていたかも。いやむしろ、式自体が終わっていたかも知れない。

 黒いネクタイは、会社の駐車場にあった。誰かが拾って目立つところいに置いておいてくれた。

 疲れた。


 


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by hiroafukasawa | 2017-02-07 15:28 | 雑記帳 | Comments(0)
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